糖質制限って本当に痩せるの?カロリー制限と何が違う?

糖質制限って本当に痩せるの?
カロリー制限と何が違うの?
リバウンドしやすいんじゃない?

こういった疑問にお答えします。

この記事の信頼性

糖尿病を始めとする生活習慣病・肥満治療として
延べ20万人以上を診てきた、
糖尿病専門医・医学博士牧田善二先生の書籍を
主に参考にしています。

私自身、先生の著書を参考に、肥満の夫を健康的に痩せさせるため
食事改善をし、1カ月で体重-2.8kg、体脂肪率-3.5%を達成し、
現在も継続中です。(2020年5月現在)

糖質制限ダイエット30日経過後の体型変化の画像

糖質制限って本当に痩せるの?

結論から言うと、痩せます。

糖質や血糖値についてきちんと学ぶと、
人が太る、たった一つの原因は「糖質」にあることが分かります。

私が初めて、糖質制限や健康の重要性を学んだ、
書籍たちから引用しながら理由を説明します。

糖質制限で痩せる仕組み

脂肪を食べたから、そのまま脂肪になるというのではなく、糖質を過剰摂取してブドウ糖が余ると、中性脂肪が蓄積されるのです。
やせるにはどうしたらいいのか。大事なのは「血糖値」です。
血液中には生きるために普段からある程度のブドウ糖が存在し、血糖値が一定の基準に保たれています。
そして、そのブドウ糖の元となるのは糖質です。

牧田善二著『医者が教える食事術 最強の教科書』より

食べた糖質は、最終的に、人間のエネルギー源であるブドウ糖となり血液中に流れます。

血液中にブドウ糖が余ってくると、インスリンによってグリコーゲンに替えられ、筋肉や肝臓に貯蔵されます。

しかし、この貯蔵量には限界があり、処理できない程に余ってしまうと、脂肪として貯蔵されます。

つまり、糖質の摂り過ぎでブドウ糖が余ることにより太るわけです。


では、糖質を制限するとどうなるか?

エネルギー源であるブドウ糖が不足すると、貯蔵されていたグリコーゲンをブドウ糖に戻したり、脂肪を燃やしたりしてエネルギーにします。

脂肪を燃やしてくれるのですから、痩せます。

これが、糖質制限で痩せる、基本的な仕組みです。


ちなみに、体重が減るのは筋肉が減ってるからだという人がいますが、それは間違いです。

糖質(炭水化物)を摂らないと頭が働かないとか
体力が持たないというのもです。

それらについてはまた別記事に書こうと思います。


カロリー制限と何が違うの?

肥満にカロリーは関係ない

脂肪を食べたからといって、それがそのまま体の脂肪になるわけではありません。
食べたものは消化・吸収の過程で分解・合成されて新しい物質に変化します。
だからこそ、糖質が体の中で脂肪に変わるのです。

牧田善二 著『医者が教える食事術 最強の教科書』より

肥満とカロリーは関係ありません。
肥満は、血糖値が上がることで起こります。

カロリー制限をしている人たちは、脂肪を食べると太ると信じています。
糖質が100%吸収される一方で、
脂肪は食べ過ぎると便に出てしまい、意外と体内に残りません。

脂質の摂取は重要

人間の細胞膜は脂質で出来ているため、質の良い脂肪の摂取が必要です。
わざわざ摂取しないような食生活は逆に不健康です。

しかし、揚げ物は「AGE」という老化物質や、
発ガン性のある「アクリルアミド」という物質が多いため、
控えめにしましょう。
これらは、糖質をこんがり焼いたものに特に多く含まれています。
例)ポテトチップス、ドーナツ、揚げ物のころも、油で揚げたスナック菓子等

現在、食用油の中でも「オリーブオイル」だけがほぼ100%良いものと言われています。
積極的に使ってください。

ただし、品質にはこだわる必要があり、
「エキストラバージン オリーブオイル」のみです。

船便で暖かい地域を長時間かけて輸送されたものは劣化していたり、
安売りされている可能性があります。
品質が信頼できるもの、できれば冷蔵輸送されたものや、
コールドプレス製法のものがあればそれを選びましょう。


糖質制限ダイエット成功のポイント3つ

ここまで読んだ方の中で、こんな方がいるかもしれません。

でもわたし、糖質制限したけど痩せなかったよ~

そんな方に紹介したい、糖質制限ダイエットにおける成功ポイント3つです。


①大事なのは「糖質量」だけでなく「血糖値のコントロール」

血糖値は70から140の間にあるのが理想で、ここに収まっていると体重は確実に落ちていきます。
1週間くらいすると、体が基礎代謝を減らすために減少にストップがかかりますが、血糖値が140以下に収まる食事を続けていると、また減り始めます。

牧田善二 著『医者が教える食事術 最強の教科書』より

血糖値のコントロールには、食べる順番が重要で、
野菜→タンパク質→糖質の順番を必ず守りましょう。

この順番で食べることにより、血糖値の上昇が緩やかになります。

空腹で糖質を摂取すると、急激に血糖値が上がり、
肥満に繋がるだけでなく、体の不調の原因となり、
糖質中毒に陥ります。

この仕組みは、『医者が教える食事術 最強の教科書』から詳しく知ることができます。
そこから知った糖質中毒には、私に大きく思い当たる特徴がありましたので、少し体験談をお話します。

糖質中毒を実感したお話

恥ずかしながら、私がこれまで、朝や昼などの食事として飲食していたのが、下記のものたちです。

  • 菓子パン、トーストなどパン類
  • 卵かけご飯
  • おにぎり
  • アイス
  • 大福、お団子など和菓子類
  • お菓子
  • 甘い炭酸ジュース
  • 甘いコーヒー

空腹時にこういったものたちをいきなり食べていました。

パンやご飯=炭水化物=糖質の塊であり、甘いジュースなども糖質の液体です。

液体は特に最悪で、消化に時間が掛からないため、あっという間に吸収され一気に血糖値が上がります。

こうした食生活により、糖質の過剰摂取となり、血糖値の上下が激しかったはずです。

この頃の私は、空腹でもないのに一日中甘いものが食べたくて
寝ても寝ても眠くて、体がだるく、常に疲れていました。
そんな不快状態から解放されたくて、また甘いものが食べたくなります。

そして、決定的だったのが、食後1時間〜4時間くらいの間
脈が速くなり、心臓がバクバクと大きな鼓動を感じるほど、激しい動悸がしていたことです。

糖質を摂り続ける→すい臓が弱る→インスリンの放出が遅れがちになる→血糖値を下げすぎてしまう
この流れで「反応性低血糖」という症状が出ます。

私が不快に思っていた特徴はまさに、それでした。

これが「自覚なき糖質中毒」であると、今のうちに知れたことは幸いでした。


不思議なことに、糖質制限を始めたら、あんなに毎日食べたくて仕方がなかった甘いものたちを、ほとんど食べたくなくなりました。

糖質中毒から抜け出すことによって、糖質制限ダイエットを成功させやすくなるだけでなく
体にも良いことがいっぱいあります。

それについては別記事に書こうと思います。


血糖値管理に便利な器具の紹介

牧田先生も推奨している、
自分の血糖値管理をするのに画期的な器具があります。

「FreeStyle リブレ」です。

何を食べると血糖値が上昇しやすいのかは個人差があります。

ですので、こちらの器具で普段から測定することで、
自分に合った食事方法が分かり、確実な血糖値コントロールが可能になります。

興味がある方は、良ければ使ってみてください。

詳しくはコチラ
【FreeStyleリブレ】血糖値を上げない食事とは【体験レビューあり】


②タンパク質・食物繊維をしっかり摂る

タンパク質は適量を摂取しよう

ごはんやパンといった糖質を減らしても、タンパク質が豊富なおかずを食べると満足できます。
また、タンパク質は血肉をつくる重要な栄養素です。
糖質制限を行うときには、タンパク質を上手にとることを考えましょう。

牧田善二 著『医者が教える食事術 最強の教科書』より

タンパク質には2種類あります。

  • 動物性タンパク質(肉類、魚類、乳製品など)
  • 植物性タンパク質(豆腐、油揚げ、豆類など)

植物性の製品には、重要な役割を果たすアミノ酸の1種「アルギニン」が豊富に含まれています。
動物性ばかりに偏らず、植物性と半々くらいにし、バランス良く上手に摂取しましょう。

タンパク質の1日の摂取量の基準となる量は下記の通りです。

日本人の食事摂取基準(2020年版)-厚生労働省より

しかし、この数値は年代ごと多くの人の平均値ですので、
その人ごとに必要なタンパク質量は異なります。
下記の計算式を参考にしてください。(一般的な健康な成人の場合)

●身体活動レベルが「普通」の人の場合*1
体重 kg × 0.9g = 1日に必要なたんぱく質量(g)

*1 身体活動レベルが普通とは、座位中心の仕事だが、通勤や買い物などの移動や家事労働等で
1日合計2時間、仕事中の職場内移動で合計30分程度を費やしている状態などを指す。

●運動や筋トレをする人の場合
体重 kg × 1.6g *2= 1日に必要なたんぱく質量(g)

*2 活動量により1.0~2.2gの幅がある。

●高齢者の場合*3
体重 kg × 1.06g = 1日に必要なたんぱく質量(g)

*3 70歳以上の高齢者推奨。

藤田聡 監修『眠れなくなるほど面白い 図解 たんぱく質の話』より

ただし、タンパク質の過剰摂取には注意が必要です。

通常の食生活の中で摂取する分には心配要りません。
しかし、人工的なプロテインからの過剰摂取は腎臓を壊す原因となります。

タンパク質を過剰に摂ると、尿中に窒素として排出されるとき、尿中カルシウム増加を伴い、腎結石や骨粗しょう症のリスクが増大します。
アスリートではない成人の場合、運動したからといってタンパク質の摂取量を増やす必要はありません

牧田善二 著『医者が教える食事術2 実践バイブル』より

プロテインには多量のタンパク質が含まれており、腎臓のろ過機能に大きな負荷をかけます。

沈黙の臓器である腎臓に異常が出る頃には、病気などがかなり進行している可能性があり、将来的には人工透析が必要になる人もいます。

添加物が多量に含まれていることもふまえると、日課としての摂取はおすすめできません。

食事で補えなかった分のあくまで「補助的」な利用に留め、
日常的に飲み続けることはやめましょう。


食物繊維は十分に摂取しよう

糖質制限中は、タンパク質中心の食生活になるため、便が固くなり便秘になりやすいと言われています。

通常の食生活でも不足しがちな食物繊維(野菜・きのこ類・海藻類)とバランス良く食べることで解消できます。

食物繊維の1日の摂取量の基準となる量は下記の通りです。

日本人の食事摂取基準(2020年版)-厚生労働省より

健康に欠かせないビタミンやミネラルが豊富で、
糖尿病予防効果のある、マグネシウムも摂取できるのでオススメです。
摂り過ぎた塩分や、害悪な食品添加物の排出にも役立ちます。


③1日の糖質量を数字にして管理すること

現代人は糖質中毒の人が多く、無意識に糖質の過剰摂取をしています。

明確な数字にして糖質量を把握・管理することにより、痩せることができます。

カロリーは一切、気にしなくて大丈夫です。


野菜だから糖質は少ないだろうと思っていたものにも、
思いもよらぬ量の糖質が含まれていることがあります。

特に、イモ類・根菜類・トマトなどは要注意です。
少量のみ食べるようにしましょう。

また、果物・フルーツも糖質が多いので注意しましょう。


私は毎食ノートに、使った全ての食材・調味料を書き出し、糖質を計算しています。


手書きが面倒であれば、自動で計算してくれる便利なアプリもあります。

しかし、実際に使っている調味料の糖質量と違うことがあるため、
自分で、家にある調味料のパッケージ表記から計算する方が正確です。

糖質 = 炭水化物 - 食物繊維 の式で糖質量が分かります。
炭水化物としか表記がない場合は、炭水化物をそのまま糖質と考えます。

確実に痩せるためには、1日の糖質量を60g以下にすることです。
(持病がある方はお医者さんと相談してください)

体重維持のためには、1日あたり、
男性:120g以下 / 女性:110g以下 を基準にしてください。

甘いコーヒーやジュースは
吸収が良く、急激に血糖値が上がるため厳禁です。


糖質制限ってリバウンドしやすい?

糖質制限がリバウンドしやすいのではなく、結果を急ぐ人ほどリバウンドしやすいのです。
無理をしても長続きしないケースが多いんです。
理想体重になったら、そこからは制限を少し緩めながら続けることがリバウンドしない秘訣です。

牧田善二 著『眠れなくなるほど面白い 図解 糖質の話』より

糖質制限ダイエットのスタートラインは、
「糖質中毒から抜け出すこと」です。

この中毒を治さないと、脳の指令に我慢できず、
結局は糖質を食べ過ぎてしまうので、
痩せたとしてもすぐに体重が戻ってしまいます。


しかし、やり過ぎには注意です。

糖質は、人間が生きていく上で欠かせないエネルギー源の一つです。
痩せすぎると、それはそれで別の悪影響がありますので、
目標達成したら、維持していくための糖質摂取はするようにしましょう。

健康のためには、
質の悪い糖質(ジャンクフードやスナック菓子、菓子パンなど)からの摂取ではなく、
質の良い糖質(ご飯やイモ類、フルーツなど)から摂取するよう心掛けましょう。

まとめ

糖質制限ダイエット成功のポイントまとめ

糖質制限ダイエットを、健康的に成功させるために重要なことは下記の通りです。

  • 血糖値が70~140の間に収まる食事を続ける
  • 1日の糖質量は60g以下にする
  • 野菜→タンパク質→糖質の順に食べる
  • 甘いコーヒーやジュースは厳禁(血糖値の上下が激しいため)
  • 良質なタンパク質(豆、肉、魚、乳製品)で満足感を得る
  • プロテインはあくまで補助
  • 食物繊維で便秘対策
  • カロリーは関係ない
  • 質の良い脂肪の摂取は必要(肉、魚、オリーブオイルなど)
  • エキストラバージンオリーブオイルは積極的に使う

上記を気をつけることで、確実に痩せていきます。

ただし、目標達成したら、制限は緩めてください。


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