添加物って体に悪いって言うけど本当なの?
絶対に食べちゃいけないの?
こういった疑問にお答えします。
この記事の信頼性
食品添加物に詳しい、以下の専門家の書籍を主に参考とした、考察・解説記事となります。
- 渡辺雄二『[最新版]食品添加物ハンドブック』
- 渡辺雄二『「食べてはいけない」「食べてもいい」添加物』
- 渡辺雄二『食べていいのは、どれ!? 危ない食品添加物ハンドブック』
- 阿部司 『食品の裏側』
- 山本弘人『[普及版]食べるな。危ない添加物』
特定の企業や製品を批判する意図でないことをご理解ください。
食品表示の基本
糖質制限ダイエットを行う私たちは特に、糖質が少ない商品を選びがちですが、
その中に含まれる危険な添加物についても知識を持つ必要があります。
砂糖を使わない食品には、代わりに添加物が使われているということ。
低糖質だからと健康に良いものばかりではないこと。
こんな事実も知った上で食品を選ばなければ、将来病気になるリスクが上がります。
食べてもほとんど心配のいらない食品を見分けるためには、
表示の意味を知ることから始めましょう!
買い物のときに判断する一つの材料になれば幸いです♪
食品表示の見方
名称 | 炭酸飲料 |
原材料名 | 果糖ぶどう糖液糖(国内製造)、果汁(マンゴー、りんご)/炭酸、香料、酸味料、ビタミンC、カロテン色素、パプリカ色素、増粘剤(キサンタン) |
上記は、とある飲料メーカーの炭酸飲料の原材料名です。
「/」で区切られ、これより後が食品添加物、前が食品原料となります。
つまり、食品原料/添加物ということです。
現在、ほとんどの食品表示がこうなっていますが、原料と添加物を別々の欄に書いたり、改行して書いたりと、区別してあればどんな方法でも良いことになっています。
食品原料と添加物はそれぞれ、使用量の多い順に書くよう、法律で義務づけられています。
用途名併記に注意
名称 | 炭酸飲料 |
原材料名 | 果糖ぶどう糖液糖(国内製造)、果汁(マンゴー、りんご)/炭酸、香料、酸味料、ビタミンC、カロテン色素、パプリカ色素、増粘剤(キサンタン) |
上記で「増粘剤(キサンタン)」という表示は、
「増粘剤」の用途・目的として「キサンタン」という物質を使っているという意味です。
このように、用途と物質名の両方書かれているものを「用途名併記」といいます。
以下の添加物は、用途名併記が義務づけられています。
添加物 | 用途・目的 |
---|---|
酸化防止剤 | 酸化を防止する |
発色剤 | 黒ずみを防いで、色を鮮やかに保つ |
甘味料 | 甘味をつける |
保存料 | 保存性を高める |
防カビ剤 | カビの発生や腐敗を防ぐ |
着色料 *1 | 着色する |
漂白剤 | 漂白する |
糊料 (増粘剤、ゲル化剤、安定剤) | トロミや粘性をもたせたり、ゼリー状に固める |
*1 着色料は、添加物に「色」の文字がある場合、用途名併記は免除されます。
例)赤色2号、カロテン色素 など着色目的と分かるため。
なんでこれらの添加物だけ用途名併記なの?
それは、毒性の強いものが多いからです。
ただし、「酸化防止剤(ビタミンC)」などのように、毒性がほとんどないものもあります。
一括表示に注意
用途名併記の添加物がある一方で、物質名を明記しない「一括表示」という抜け穴があります。
一括表示とは、用途名(使用目的)を記載しただけで、何の物質を何種類使用しているのか、表示しなくても良いということです。
名称 | 炭酸飲料 |
原材料名 | 果糖ぶどう糖液糖(国内製造)、果汁(マンゴー、りんご)/炭酸、香料、酸味料、ビタミンC、カロテン色素、パプリカ色素、増粘剤(キサンタン) |
上記の添加物で、「香料」「酸味料」とありますが、これは一括表示です。
特に「香料」の場合は、通常数種類の香料を混ぜたものが使われ、その配合は企業秘密のところが多いようです。
数百もの品目があり、それらいくつ使用しても、「香料」の表示でOKなのです。
「酸味料」は、主に「酢酸」「クエン酸」などがあり、全部で25品目程です。
どれをいくつ使用しても「酸味料」の表示でOKです。
一括表示で良くても、物質名を記載しているものもありますが、
ほとんどは一括表示となっています。
他にも、一括表示で良い添加物は以下の通りです。
添加物 | 用途・目的 |
---|---|
酸味料 | 酸味をつける |
香料 | 香りをつける |
調味料 *2 | 味付けをする |
膨張剤 | 食品を膨らます |
pH調整剤 | 酸性度やアルカリ度を調節する、 保存性を高める |
乳化剤 | 油と水を混じりやすくする |
イーストフード | パンをふっくらさせる |
豆腐用凝固剤 | 豆乳を固める |
かんすい | ラーメンの風味や色を出す |
ガムベース | ガムの基材となる |
チューインガム軟化剤 | ガムを軟らかくする |
苦味料 | 苦味をつける |
光沢剤 | つやを出す |
酵素 | タンパク質からできた酵素で、さまざまな働きがある |
*2 調味料は、4種類あり、そのいずれかを表示することになっています。
例)調味料(アミノ酸) など
なんで一括表示でいいの?
毒性の強いものが少ないからです。
しかし、なかには毒性の強いものもあります。
添加している量がわずかなため、影響が少ないと考えられているようです。
そして(これは添加物全体に言えることですが)、
注意しなければならないのは、
添加物の安全性は人間で調べられていないということです。
さらに、一品目の添加物ごとに動物実験で調べるため、
複数の添加物を摂取しての影響は調べられていないということです。
特に、「胃部不快感」「下腹部の鈍痛」「口内刺激感」などの
「他人に伝わりづらい症状」は動物実験では確かめられません。
表示免除に注意
以下の場合は、添加物を使っていても表示しなくて良い、「表示免除」となっています。
- 加工助剤
- キャリーオーバー
- 店頭バラ売り、店内で製造された料理・惣菜・パン・お弁当など
- 栄養強化剤(強化剤)
- パッケージが小さいもの
各項目について、分かりやすい書籍から引用しながら説明します。
加工助剤
加工食品をつくる際に使われた添加物のうち、食品の完成前に除去されたり、中和されたりするものは「加工助剤」とみなされ、表示しなくてもいいことになっています。
阿部司 著『食品の裏側』より
たとえば、みかんの缶詰は、内皮がむかれた状態で詰められています。
この皮は塩酸とカセイソーダで溶かして除去していますが、塩酸はカセイソーダで中和されるため、みかんには残っていない、だから表示の必要はない、ということになっているのです。
カット野菜やパックサラダもこれに当たります。
「殺菌剤」のプールにカットした野菜を投げ込み、ジャブジャブ洗っています。
メーカーによってはさらに、「pH調整剤」のプールにジャブジャブつけたりします。
言われてみればどおりで、切り口がずっときれいで長持ちするはずです💡
加工工程で使われるだけだから製品には残っていない、ということで表示免除。
でもそんな漂白プール漬けの野菜、「健康のために」と食べたいですか?
家族に食べさせたいですか?
キャリーオーバー
原材料からそのまま持ち越される添加物のこと。
阿部司 著『食品の裏側』より
たとえば、焼肉のたれをつくる際には、原材料にしょうゆを使いますが、このしょうゆに含まれる添加物は表示しなくていい、というわけです。
だから表示には、ただ一言「しょうゆ」とあるだけです。
上記のように、焼肉のたれにしょうゆが使われている場合、
そのしょうゆの原材料が国産大豆なのか、アメリカ産大豆なのかも分かりません。
キャリーオーバーというだけで、さまざまな情報が分からなくなってしまいます。
店頭バラ売り、店内で製造された料理・惣菜・パン・お弁当など
- 包装されていない、バラ売りの加工食品
- 物産展での明太子など
- 詰め放題のお菓子
- パックに詰めていない魚
- ベーカリーショップのバラ売りパン
- 店内製造販売の惣菜・お弁当
- レストラン・食堂などでの料理
上記のような、容器詰め・包装されていない食品は、表示免除となります。
そのため、どんな添加物が使われているか不明です。
ただし、バラ売りであっても、以下の場合は毒性が強かったり、発がん性の疑いがあるため、
物質名を明記・表示しなければなりません。
- レモン・オレンジ・グレープフルーツなどの柑橘類に「防カビ剤」を使用している場合
- 豆などに合成甘味料の「サッカリン」「サッカリンNa」「サッカリンCa」を使用している場合
栄養強化剤(強化剤)
食品の栄養を高めるためのもので、ビタミン類、アミノ酸類、ミネラル類があります。
渡辺雄二 著『[最新版]食品添加物ハンドブック』より
体にとってプラスになり、安全性も高いと考えられているので、表示が免除されているのです。
パッケージが小さいもの
飴や一口サイズのお菓子など、パッケージが小さい場合(30㎠以下)は、原材料を記載しなくてよいことになっています。コーヒーフレッシュなどもこれに該当します。
阿部司 著『食品の裏側』より
面積が小さい商品に、添加物をいちいち書いていては
文字だらけになってしまい、スペースが足りない、ということでしょう。
添加物の使用目的
危険性もある一方で、添加物が私たちの生活を便利にしていることも事実です。
自炊がめんどくさいときには、できあいのものがスーパーやコンビニで手に入ります。
スーパーやコンビニで売られているお弁当などのように
作られてからお客さんが食べるまでに、時間がかかる場合、
防腐効果・保存効果のある添加物が必要になってきます。
その他にも、見た目や色彩を良くする着色料や、糖質オフだけど甘味をつけるための甘味料など多くの添加物が使われます。
きちんと手間をかけて製造すれば、添加物が必要ない食品もありますが、
時間も手間もかかるため、様々な添加物を使用して、機械で短時間に大量生産する手段がとられています。
その分、価格が安かったり、内容量が多くお得だと感じたりするのです。
添加物の毒性について
「一括表示」の項目でも述べたように、危険な添加物はなるべく避けたい理由として、
安全性を人間で調べていないというところにあります。
そして、動物実験で毒性が確認されたにも関わらず、認可されている添加物が存在します。
過去に認可されていた添加物で、後から禁止された添加物もあります。
現在使われている添加物でも、これから禁止されるかもしれない危険な物質も存在する
ということをご理解ください。
ダイエットで痩せたい、もっと綺麗になりたい、家族みんなで健康でいたいという意識を持つ読者の皆様
そして妊娠中の方、妊娠を目指すご夫婦の方々にはぜひ、
特に以下の危険性を持つ添加物はなるべく避けていただきたいです。
- 発ガン性
- 催奇形性
- 変異原性
- 慢性毒性
- 急性毒性
お子様も多く口にする、清涼飲料水(ジュース)やお菓子・普段料理に使う調味料にも
添加物がたくさん含まれていたりしますので、
添加物の知識を大人の方が教えてあげたり、食べさせるものを選んであげてください。
また、どうしても食べたい場合は、その毒性があるということを知った上で
免疫力を高める食事をしたり、添加物の排出も高める食物繊維を十分に食べたり、毒性を減らす方法を使ったりして
体内に残る量を減らすようにしましょう✨
その方法については、今後別記事で更新していきます。
発ガン性
日本人の死因の1位は「ガン」です。
昭和56年以降の死因順位1位は、一貫して「ガン」となっており、
その数も増加し続けています。
2018年の全死亡者のおよそ 3.6 人に1人は、ガンで死亡しています。
(平成 30 年(2018) 人口動態統計月報年計(概数)の概況 より)
生涯でガンになる確率は、男性:63%、女性:48%(男女とも、2人に1人)
食べ物が通過する臓器である大腸・胃のガンは、発ガン数・死亡数ともにトップ3に入っています。
(国立がん研究センター 最新がん統計 より)
こういった背景には、現代で気軽に使われるようになった、
「発ガン性のある添加物を含む食べ物」が関わっていることは間違いないと思います。
ガン発生のメカニズムは、以下の通り、医師が分かりやすく説明している書籍から引用します。
私たちの体の細胞は定期的に新しくなっており、たとえば肝臓の細胞は約60日に1度の割合で刷新されます。このとき、細胞の遺伝子がコピーされますが、コピー機能は完全ではなく、まれにエラーが起きます。あるいは、発がん性物質などによって外部から刺激されコピーを間違えます。
牧田善二 著『医者が教える食事術 最強の教科書』より
ガンにならないためには、発ガン性のあるものや、その疑いがあるものを
なるべく摂取しないということが必要になってきます。
医療も進歩し、ガンになったら必ず死ぬというわけではありませんが、
精神的・身体的、そして経済的に私たちへ大きなダメージとなります。
ですから、「危険だと分かっている添加物を含まない食品」を選ぶようにしましょう。
発ガン性が確認されている、あるいはその疑いが強い添加物は主に、以下のものがあります。

発ガン性に関する添加物は他多数あるため、詳しい記事は今後投稿していきます。
催奇形性
催奇形性とは、胎児に奇形を発生させる毒性、つまり
お腹の赤ちゃんに先天性の障害をもたらす毒性のことです。
発ガン性とも大きく関係する添加物が多いので、
前述の「発ガン性」の項目も併せて注意する必要があります。
動物実験で胎児に障害をもたらす毒性があったものや、
流産・死産が見られた添加物でも認可されているものが多くあります。
妊娠中の方や、妊娠を目指すご夫婦の方は特に、
添加物に関する知識を持って、お子様のためにも体を大事にしていただければと思います。
催奇形性が確認されている、あるいはその疑いが強い添加物、
生殖機能や遺伝子に悪影響を及ぼす添加物は主に、以下のものがあります。

上記のもの以外でも、柑橘類に多く使われる防カビ剤や、
多数の食品で使われる増粘剤(増粘多糖類)、小麦粉の製造で使われる処理剤などには毒であるものが多いです。
防カビ剤の中には、柑橘類の皮だけでなく果肉にも浸透しているものがあります。
妊娠中・妊活中の方は、増粘多糖類・柑橘類・小麦製品などには
とりわけ注意した方が良さそうです。
変異原性
変異原性は、遺伝子に作用して変異させる毒性で、
突然変異・染色体異常・DNA修復異常などの性質があります。
突然変異性は、細胞のガン化と関係があるため、
前述の項目、発ガン性・催奇形性にも大きく関係があります。
変異原性があるものには、発ガンの可能性があることが判明しています。
前述の2項目でまだ触れていない添加物で、変異原性がある、あるいはその疑いがある添加物は以下の通りです。

慢性毒性
慢性毒性は、長期間の摂取によって臓器・体重・血液などに悪影響が表れることです。
これも、危険性があっても認可されている添加物が多くあります。
毒性があると知った上で、摂取量はなるべく減らすようにしましょう。

急性毒性
急性毒性は、すぐに悪影響が表れる毒性のことです。
急性毒性の強い添加物は、使用量が制限されているため、
普通の食生活の中で中毒になることはほとんどないと思います。
ですが、体が小さいお子様には強く毒性が出る可能性もあり、
実際に乳児が硝酸塩で中毒になったケースや
大人でもたくさん食べて死亡した例があります。
また、ホルモンや免疫への影響によってアレルギーを引き起こす可能性があります。
これらは、動物実験では分かりづらい影響ですので、急性毒性のある物質を
添加物として使用すること自体が心配なところです。
加工段階で使われるだけなので、製品にはほとんど残らないという判断で
「表示免除」となっていたり、「一括表示」のものも結構あります。
毒性については分かる限り調べた結果、下記の通りです。

比較的安全な添加物
歴史的にわりと長く使われていて、比較的安全といえる添加物は
以下のものがあります。
- 重曹
- ベーキングパウダー
- にがり(塩化マグネシウム)
- 水酸化カルシウム(こんにゃく凝固剤)
- 寒天
- ゼラチン
まとめ
添加物に最も注意すべきなのは、乳幼児・妊娠中の方・妊活中のご夫婦です。
動物実験で、多くの動物が命を犠牲にして、
胎児への悪影響・母体への悪影響を証明してくれました。
それにも関わらず、そういった添加物が使われていることに疑問が残りますが、
家族の明るい将来のため、少しでも不安要素となりうるものは避けていただければと思います。
また、こういった知識は学校では教えてくれないので、
お子様がいる方はぜひ、一緒に学びながら将来に役立てていただければ嬉しいです。
コメント